FINE WINE WAY コラム詳細
2022年1月31日
シャンパーニュとスパークリングワイン
ワインが複雑だと思われる要因の一つでもあると思いますが、生産国によって、エリアによって、造り方によって、熟成によって、などなど発泡性ワインの呼び名は変わるんです。
(ちなみに。カヴァはスペインで作られる瓶内二次醗酵のワイン。フランチャコルタはイタリアで作られる瓶内二次醗酵のワイン。クレマンはフランスの指定された地域で作られる、瓶内二次醗酵のワイン。ビンナイニジハッコウ??・・・頭が混乱してきた・・・!!!)
ちなみに、一般的にスパークリングワインが全体の総称としてあっていますが、そのスパークリングワインのことを、フランスでは「ヴァンムスー」、イタリアでは「スプマンテ」と呼んだりします。
そしてそのスパークリングワインは大きく分けて5つの作り方があります。
1) シャンパーニュ方式・・・いわゆる瓶内二次醗酵。シャンパン、フランチャコルタ、カヴァなど。瓶の中で二次醗酵させることで炭酸ガス発生!逃げ場のなくなったガスはワインの中に溶け込みます。熟成させるほどにクリーミーになるのはこのガスがしっかり溶け込むから!
徐々にオリを下げていき、、、
ちなみに昔はすべて手作業(今も手作業の小規模生産者あり)でしたが、今は機械化されているところ多数です。
4) 田舎方式・・・発酵途中のワインを瓶に詰めて、残りの発酵を瓶の中で行う方法。発酵し終えた後に澱を取り除かずそのまま商品化!なので、瓶底に澱(用を終えた酵母)が溜まっています。
5) 炭酸ガス注入方式・・・名の通り。タンクに炭酸ガスを吹き込む方法。
この5つの中で一番手間がかかるのが、シャンパーニュ方式、いわゆる瓶内二次醗酵というわけです。
では、よく聞くシャンパン。これって結局なんだろうという話。同じ瓶内二次醗酵でも、カヴァは安いじゃないか!!なんでこんなに高いんだよー!って思いますよね。そりゃ手間暇かけて作っているから高いのよ、なんていったら、他の国の素晴らしいワインを造っている生産者さんたちに失礼な話だし。しかしながらほんとに大変な労力とコストがかかっているスパークリングワインがシャンパンなのです。
フランス・パリから北東約140kmの位置にあるシャンパーニュ。フランス最北のワイン生産地です。とっても北です。北緯49度。(といわれてもピンとこない、、、)実はブドウ栽培において、北緯50度を超えるとブドウを収穫することが難しいとされています。そうなんです、寒すぎて「ブドウ栽培の限界地」ということなんです。(でもこの地方だからこその影響を受けて他にはない個性のブドウが育っちゃうんです)。
そしてブドウ品種。このエリアで認められているブドウ品種は7品種。そう7品種しか認められていないということです。きっとシャンパンが好きな方なら聞いたことのあるブドウ品種かもしれませんね!シャルドネやピノノワール、ピノムニエなどが多く使われています。
このシャンパーニュ地方で栽培される決められたブドウ品種を収穫して、さらに決められた醸造方法に従って作るのがシャンパーニュとなるわけですが、何にコストが一番かかるのか。おそらく「アッサンブラージュ」といわれる「調合」作業、いわゆるワインをブレンドすることに大変なコストがかかるのだと思います。
シャンパーニュは、「ワイナリーが持つ畑のその年収穫されたブドウ1品種だけ」という、いわゆるブルゴーニュワインのような作り方はされず、必ずアッサンブラージュといわれるブレンド作業をして造られます。
そのブレンド作業に使うのが、様々な畑、様々な品種、様々な年のストックワイン。ということは、ワイナリーのカーヴには、それだけ莫大な数のワインがストックしてあるということです。
そこから規定の熟成期間(多いところでは10年の熟成期間を設けているものも!)を経て、シャンパーニュは出荷されるというわけなのです。
遠くはフランス・シャンパーニュ。寒い地方で、こんなに手間暇かけて作られているというわけです。そりゃー高くもなるよなぁ。
ちなみに2020年~2021年のフランス・シャンパーニュは冬~春の時期の甚大な霜の被害があり、生産量激減しています。(さらに値上がりしている!!!!!)
みなさんのお手元にあるそのシャンパーニュ、ぜひ遠くフランスの地に思いを馳せて、じっくり味わってみてください。
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