ミルトン・ヴィンヤーズ シャルドネ・オポウ・ヴィンヤード 2021
テロワールを反映した、複雑で温かみがある味わい深いワイン
ニュージーランド、北島にあるギズボーンは、ニュージーランドで最も東にある町です。
ミルトン・ヴィンヤーズは、ギズボーンの郊外、
開拓者達によって1871年に最初のブドウが植えられたマヌトゥケの近く、テ・アライ川の川岸にあります。
ミルトンは1984年創立の小規模なワイナリーながら、
ニュージーランド産オーガニック(ビオディナミ)ワインの第一人者として、
今日ではその品質の高さや彼らの栽培や醸造に対する姿勢などが、
ニュージーランド国内はもとより海外の多くの著名な評論家やワイン愛好家から大きな賞賛を集めています。
オーナーのジェームス・ミルトンと妻アニーは、今から40年ほど前、
結婚するとすぐにワイン造りを志してヨーロッパに渡りました。
転々としながらワイン造りを学ぶうち、
オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーの「バイオダイナミクス理論」と出会い、
強く感銘を受けた2人は、この理論に則ったぶどう栽培(ビオディナミ)を実践する事を決意します。
彼らはギズボーンに戻ると、アニーの父である故ジョン・クラーク氏が経営していたワイナリーを引き継ぎ、
ビオディナミへ転換するために念入りな畑の調査を行ってぶどうの大部分を植え替える作業を行いました。
当初彼らのビオディナミへの取り組みは周囲から嘲笑され、彼らの成功を信じる者は彼ら2人以外皆無でした。
しかしワイン造りを始めてわずか5年で、彼らはシュナン・ブランから造るワインなどにおいて、
周囲も認めるニュージーランドのワイン生産者のリーダー的存在となりました。
元々ギズボーンはニュージーランドの中でも平均気温が高く、
また湿度も高いことからシャルドネ以外の高級ワイン向けのぶどう栽培には不向きと言われ、
それまでは安価なバルクワイン向けのぶどうが大量に栽培されていました。
しかしミルトンはそのギズボーンでシャルドネはもとより
シュナン・ブランやピノ・ノワール、ヴィオニエなどから素晴らしいワインを次々と産み出し、
彼らの取り組みが正しかった事を証明したのです。
ミルトンは有名なロワールのオーガニックの生産者、ニコラ・ジョリーが主宰する世界的なオーガニックワインの団体
「ルネサンス・デ・ザペラシオン」のニュージーランド唯一のメンバーで、
現在ではビオディナミを志す若い生産者たちへの指導も積極的に行っており、
その教え子たちがフランスのアルザスを始め各地で、ビオディナミによるぶどう栽培を行っています。
Millton Vineyards Chardonnay Opou Vineyard 2021
火打石やオレンジのニュアンスを感じるアロマ、口当たりはまろやかで酸味の中にほのかな塩味を感じさせ、栗やオーツ麦のビスケットのような香ばしい風味が渋味を和らげ、味わいに広がりを与えています。
グラスの中で時間が経つにつれ、丸みのある味わいに変化し、ワインはクリーンな酸味と絹の様な質感に縁どられます。
輝きを放つ色合い、透き通るような香り、調和の取れた味わい。このワインは古典的な雰囲気を持っていますが、グラスワインにも最適なニューワールドの雰囲気も併せ持っています。
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