アダンティ　モンテファルコ・サグランティーノ2014

アダンティは、サグランティーノ・モンテファルコの造り手としては
最も歴史の古いワイナリーの一つです。

その歴史は１９６０年代に、
ドメニコとピエトロのアダンティ兄弟がアルクアータ村に建つ古い修道院を購入し、
修復の上セラーとした時に始まります。
この地域では古くからサグランティーノ種を使ったワインが造られていましたが、
甘口のパッシートが主体で、ほとんどが地元で消費されるイタリアでも無名の存在でした。
しかしアダンティでは、このぶどうの持つ濃厚で力強い味わいに着目し、
他の生産者に先駆けてパッシートではない辛口ワイン造りに挑戦しました。

彼らは後にワインメーカーにアルヴァロ・パリーニを迎えますが、
パリで仕立て屋を営んでいたアルヴァロが、
故郷であるウンブリアに戻り、アダンティ兄弟の造るワインの感想を求められた際、
全くのトレーニングも受けていないアルヴァロは

「私ならもっといいワインを造れるのに」

と言ったとか！

兄弟はそれを聞き、アルヴァロを採用したというなんともユニークなエピソードがあります。
ただ「見せかけの醸造家アルヴァロ」にはぶどうの栽培と醸造に関して驚くべき才能があり、
サグランティーノ種という手間暇がとてもかかるこのブドウを素晴らしいワインに変えたのです。

そのワインはたちまち注目を集め、また彼らの成功によって
他の生産者たちも辛口のサグランティーノ･ディ･モンテファルコを造るようになり、
１９７９年にＤ.Ｏ.Ｃ.、１９９２年にはＤ.Ｏ.Ｃ.Ｇ.に昇格し、
名実ともにイタリアワインの最高峰の１つに数えられるようになりました。

イタリア国内におけるアダンティの評価は非常に高く、
このワインはは２００５、２００６、２００８ヴィンテージにおいて
イタリアワインの最高峰と称される「ガンベロロッソ」誌の
「トレビッキエリ」（最高評価）を獲得しています。

野生のチェリーやブラックベリー、プラムなどの力強いアロマが広がり、
タールやリコリス、ジュニパーベリーや華やかなハーブの香りへと変化して行きます。
力強いタンニンがうねるように広がり、豊かでまだ新鮮さを保った果実の風味があります。
アルコールと果実の甘さが絶妙なバランスを見せます。